シロイルカバブルリング

映画のレビュー

『ペコロスの母に会いに行く』

ペコロスの母に会いに行く』の試写会に行って来ました。

バツイチ中年越え男性が認知症の母の介護をする話でおもしろ可笑しい、でも涙なしでは見れない、すごくいい作品でした。

主人公は岩松了さん。認知症の母役は赤木春恵さん。
あと、同じ母の介護問題を抱える主人公の同志として竹中直人さん。温水洋一さんは主人公の友人役。
この男性キャストが笑えて、、(失礼ですが)みんなハゲてる。笑
ペコロス”とはちっちゃい玉ねぎで、要するに見た目が、、そういうことです。笑

(ちょいネタばれ)


認知症の母は息子さえ忘れつつありますが、ハゲ頭を見せると「あ、息子!」と思い出しますw

認知症の介護って大変ってイメージで、もちろん大変なんですけど、苦しいばかりの大変ではなくて、こうゆう家族の絆が見え隠れするような面白いエピソードがけっこういっぱい生まれると思う。

私的な話ですが、今年、認知症の祖母を亡くした。
離れて暮らしていたのでたまに帰った時しか顔を見せられなくてお葬式では不甲斐なさで複雑な気持ちになった。
祖母は98歳まで生きて、認知症を患っては長かったけど身体は健康そのもの。老衰で亡くなりました。
一度施設に入ったけど、伯母がすぐに連れ戻し自宅で介護をしていた。

伯母のひ孫が12人いて(子沢山なんです)、帰省して会いに行くといつも車椅子に乗った祖母は1歳~12歳のひ孫12人に囲まれ、やんややんやと騒がしく遊んであげているのか、遊ばれているのか、という状態で楽しそうに過ごしていました。(当然、多すぎるひ孫の名前なんて一人一人覚えられない様で、本人はなんか近所の子がいっぱいいる~くらいに思っていたようでしたが)

孫、ひ孫、合わせて19人。子供も合わせると23人。どこのアフリカの家庭や。23分の1の私はたまにしか顔を見せないので祖母に「帰って来たよ~」っていうと「誰ですか?」みたいな顔をよくされました。笑
でも、祖母と私、二人だけの思い出話をするとすぐに思い出してくれていました。この辺がすごく嬉しかったし、不思議だと思っていたんです。明治生れの祖母、どれだけの記憶をその痩せ細った身体に秘めているのか。海、でした。

不可解なこともよく言っていました。
既に亡くなっている身内と嬉しそうに会話をしてることもよくありました。見えている、としか思えないような話もしていました。それを家族でうんうん、と聞いていました。

認知症になる前は、厳格で口うるさく、怖いおばあちゃん、だった祖母。
認知症になってから、穏やかになり、食いしん坊になり、肌ツヤがよくなり、眉間のシワがとれ、いつも笑っているようになりました。年頃になっては近寄りがたかったけど、これが祖母の本質だったのかな、なんて感じたりしました。

ペコロスの母に会いに行く』は、そうゆう身内が認知症になったから気づかせてくれたことを、描いている映画と思いました。

私の母は認知症には絶対なりたくない!と言っていますが、別になってもいいよって子供の立場で(楽観的過ぎるかもしれませんが)思っています。
でも、認知症は真面目で神経質な人がなりやすいようなので、、

母には言えませんが、認知症になる素質がないと思います。。