シロイルカバブルリング

映画のレビュー

『悪人』

『悪人』。良質な映画に出る妻夫木くんの安定感と確かな演技力。
悪人面白いよーって周りにたくさん聞いていて、普段映画にそんなに興味ないっていう人も見たらすごい考えてしまった!って人が多くて。
遅ればせながら昨日見た。

すごー!と思った。周りと同じように私も感動した。ひとつ周りと違ったのはこれは舞台が九州で、方言の言葉づかいやロケ地が身近だったこと。

、、生々しい。

殺人を犯した妻夫木くん演じる祐一の背景とか、光代と逃亡していった先の料理屋が呼子のイカの店とか。

祐一が光代に殺人を犯した告白をする場面で店の人が割り込んで「後でフライにしますからね~」と言う。
これは本当に言われること。
後のフライがお約束で美味しいんですよね。

関東に来たら「九州ってイカを透明のまま食べるんでしょ?」って言われて、それが普通の感覚だったのでほよ?と思ったのを思い出した。
イカは白いってのが関東の定説なんだとその時知った。

生々しい、、

映画は出会い系サイトで知り合った男女の話で、思わず調べたら原作者の吉田修一さんは長崎の人だった。
自分の体験や実感を基にこのストーリーを作られたんだなと思った。

映画はおとぎ話ですが、おとぎ話は空想からは生まれなくて、もしそうだとしたらきっとこんなに胸を打たれることはない。
映画のメッセージは、大切に思う人がいますかっていう、すごくシンプルなものだと思うけど、その重みは半端ない。


、、私は言いたくなった。

イカは、、

透明が一番美味い!!と。